日本人は英語の発音を苦手とする人が多いと考えられています。
これは、日本語と英語を話すときに使う口の形や舌の筋肉が全く異なるからです。
逆にいうと、英語を話すときには、英語で使うべき口の形や舌の筋肉を使わないと、ネイティブのような発音をすることはできないのです。
私たち人間の脳には「筋肉記憶(マッスルメモリー)」とよばれる記憶があり、行動と、それに伴う筋肉の動きを記憶することができます。
このマッスルメモリーを鍛えることにより、生まれたときから英語を母国語として学んでいなくても、ネイティブのような発音を習得することができます。
口のトレーニング
日本人が日本語を話すときの口の動かし方と、ネイティブが英語を話すときの口の動かし方は全く異なります。
ネイティブらしい英語の発音をしたいのであれば、英語に合わせた口の動きをトレーニングしなければなりません。口のトレーニングの方法をここではご説明します。
大きく口を動かしましょう
英語を話すときには日本語よりも多くの口の筋肉を使います。
口の筋肉をたくさん使う練習として、まずは大きく口を動かす練習をやってみましょう。
具体的には、顔が筋肉痛になるほどオーバーなくらいの口の動きで「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」、、と口を動かしてみてください。このとき声を出す必要はまだありません。
しっかり口を大きく動かすことを意識して、口を開けたり閉じたりしてみましょう。
息を前に吐きだしましょう
日本語はどちらかといえば喉の奥や口の中で音がこもっているような言語で、あまり多くの息を必要とせず、口先だけで話すことができます。
一方、英語は日本語よりも多くの息を使って「フッ」や「ハッ」という瞬間的におなかに力を入れて音を出すような息の吹き出し方をします。
ポイントはしっかりとおなかと喉に力を入れることです。
口の動きのトレーニングの「あいうえお」の動きにあわせて練習するのもよいでしょう。
舌のトレーニング
正しい英語の発音をするうえで舌の位置はとても重要になります。
特に、英語の「th」や、「r」と「l」の発音の違いなどは日本人が苦手とする発音です。
これらの音は舌を巻いたり、舌を上あごにつけたりなどして発音に差がでてきます。
ここでは舌のトレーニングについてご紹介します。
前に大きく舌を突きだしましょう
ちょうど、あっかんべーをするような感じで舌を前に大きく突きだしてください。
舌の付け根あたりがぴりぴりしてくると思います。
「th」の発音では舌を上の歯と下の歯の間に挟んだり、上の歯と下の歯に裏側から舌がくっつくような形で息を吐きだします。
このような動きのトレーニングとして舌を前に突きだす動きは有効なのです。
舌を後ろに引っ込めましょう
舌をフラットな状態で奥の方にぐっと引っ込める動きをしてみましょう。
さっきの前に突きだす動きのちょうど逆のようなかたちです。このとき舌を巻いたりせずに平な状態であることを意識してください。
はじめのうちは、舌がつりそうな感じがするかもしれませんが、トレーニングをしているうちにだんだん慣れていきます。
この舌の動きは「r」の発音のときに使います。舌を平にぐっと喉の奥に引いた状態で出した時の「あ」や「う」に近い音が「r」のネイティブ的な音になります。
この舌のポジションを忘れずに「r」が入っている単語も練習してみましょう。
舌で上あごを叩きましょう
舌で上あごを叩く、というとなかなか難しいかと思いますが、舌先を上あごの先端の上の歯ぐき近くに当て、その舌先で舌裏の筋肉を使って上あごをはじくようにしてみてください。
これは「l」の発音のときに使う舌の動きです。
舌全体を上あごにつけた状態で発音をすると不自然な音になってしまうので、このように舌先ではじくように練習してみましょう。
舌先で上あごを叩く、あるいははじくようなこの動きは舌の裏の筋肉を使います。普段、日本人が日本語を話すときになかなか使わない筋肉になるので慣れるまでは多少つらいかもしれません。
しかし、舌の筋肉も何度もトレーニングをしているうちに鍛えられて慣れていきます。
正しい「l」の発音ができるようになるために、このトレーニングを実施しましょう。
舌で上の歯の裏側を舐めるようにしましょう
上の歯の裏側に軽く丸めた舌先をあて、その状態から上の歯全体に舌を広げるように舐めます。
この動きは「l」単体の発音ではなく、「l」の入った英単語を発音するときの舌の動きです。
この舌の動きを練習することで、「l」の音が入った英単語が正しく発音できるようになります。
まとめ
ネイティブのような英語の発音をするための口や舌のトレーニングをご紹介しましたが、ここで紹介したトレーニングは日本人にとっては日常使わない舌の動きや口の動きになるため慣れるまでは難しいかもしれません。
また、筋肉の動きと発音という行動を結びつけるマッスルメモリーも鍛えることになるため頭も使います。
少しずつできることからでいいのでトレーニングして、確実に正しい発音ができる練習をやっていきましょう。